最新著作権法


赤字個所は2010年1月1日施行分)

編集 : 日本著作権機構/2010年1月1日


= 目  次 =

第1章 総則

第1節 通則
第2節 適用範囲

第2章 著作者の権利

第1節 著作物
第2節 著作者
第3節 権利の内容

第1款 総則
第2款 著作者人格権
第3款 著作権に含まれる権利の種類
第4款 映画の著作物の著作権の帰属
第5款 著作権の制限

第4節 保護期間
第5節 著作者人格権の一身専属性等
第6節 著作権の譲渡及び消滅
第7節 権利の行使
第8節 裁定による著作物の利用
第9節 補償金等
第10節 登録

第3章 出版権

第4章 著作隣接権

第1節 総則
第2節 実演家の権利
第3節 レコード製作者の権利
第4節 放送事業者の権利
第5節 有線放送事業者の権利
第6節 保護期間
第7節 実演家人格権の一身専属性等
第8節 権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録

第5章 私的録音録画補償金

第6章 紛争処理

第7章 権利侵害

第8章 罰則


第1章  総則

第1節  通則

第1条(目的)
  この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

第2条(定義)
  この法律において、次の次号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 著作物
  思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
(2) 著作者
  著作物を創作する者をいう。
(3) 実演
  著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
(4) 実演家
  俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。
(5) レコ−ド
  蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう。
(6) レコード製作者
  レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう。
(7) 商業用レコード
  市販の目的をもつて制作されるレコードの複製物をいう。
(7)の2 公衆送信
  公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
(8) 放送
  公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。
(9) 放送事業者
  放送を業として行う者をいう。
(9)の2 有線放送
  公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。
(9)の3 有線放送事業者
  有線放送を業として行う者をいう。
(9)の4 自動公衆送信
  公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。
(9)の5 送信可能化
  次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第47条の5第1項第(1)号 において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
 その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。
(10) 映画製作者
  映画の著作物の製作に発意と責任を有する者をいう。
(10)の2 プログラム
  電子計算機を機能させて1の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。
(10)の3 デ−タベ−ス
  論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
(11) 二次的著作物
  著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。
(12) 共同著作物
  2人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。
(13) 録音
  音を物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
(14) 録画
  影像を連続して物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
(15) 複製
  印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
 脚本その他これに類する演劇用の著作物
  当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
 建築の著作物 
  建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。
(16) 上演
  演奏(歌唱を含む。以下同じ。)以外の方法により著作物を演ずることをいう。
(17) 上映
  著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。
(18) 口述
  朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。
(19) 頒布
  有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあつては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。
(20) 技術的保護手段
  電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により、第17条第1項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第1項に規定する実演家人格権若しくは同条第6項に規定する著作隣接権(以下この号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第30条第1項第(2)号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際しこれに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、又は送信する方式によるものをいう。
(21) 権利管理情報
  第17条第1項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第1項から第4項までの権利(以下この号において「著作権等」という。)に関する情報であつて、イからハまでのいずれかに該当するもののうち、電磁的方法により著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録され、又は送信されるもの(著作物等の利用状況の把握、著作物等の利用の許諾に係る事務処理その他の著作権等の管理(電子計算機によるものに限る。)に用いられていないものを除く。)をいう。
 著作物等、著作権等を有する者その他政令で定める事項を特定する情報
 著作物等の利用を許諾する場合の利用方法及び条件に関する情報
 他の情報と照合することによりイ又はロに掲げる事項を特定することができることとなる情報
(22) 国内
  この法律の施行地をいう。
(23) 国外
  この法律の施行地外の地域をいう。
 この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。
 この法律にいう「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとする。
 この法律にいう「写真の著作物」には、写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含むものとする。
 この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。
 この法律にいう「法人」には、法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含むものとする。
 この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏、又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
 この法律にいう「貸与」には、いずれの名義又は方法をもつてするかを問わず、これと同様の使用の権原を取得させる行為を含むものとする。
 この法律において、第1項第(7)号の2、第(8)号、第(9)号の2、第(9)号の4、第(9)号の5若しくは第(13)号から第(19)号まで又は前二項に掲げる用語については、それぞれこれらを動詞の語幹として用いる場合を含むものとする。

第3条(著作物の発行)
  著作物は、その性質に応じ公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が、第21条に規定する権利を有する者又はその許諾(第63条第1項の規定による利用の許諾をいう。第4条の2及び第63条を除き、以下この章及び次章において同じ。)を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者によつて作成され、頒布された場合(第26条第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利を有する者の権利を害しない場合に限る。)において、発行されたものとする。
 二次的著作物である翻訳物の前項に規定する部数の複製物が第28条の規定により第21条に規定する権利と同一の権利を有する者又はその許諾を得た者によつて作成され、頒布された場合(第28条の規定により第26条第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利と同一の権利を有する者の権利を害しない場合に限る。)には、その原著作物は、発行されたものとみなす。
 著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば前2項の権利を有すべき者又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ前2項の権利を有する者又はその許諾を得た者とみなして、前2項の規定を適用する。

第4条(著作物の公表)
  著作物は、発行され、又は第22条から第25条までに規定する権利を有する者若しくはその許諾を得た者によつて上演、演奏、上映、公衆送信、口述、若しくは展示の方法で公衆に提示された場合(建築の著作物にあつては、第21条に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者によつて建設された場合を含む。)において、公表されたものとする。
 著作物は、第23条第1項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者によつて送信可能化された場合には、公表されたものとみなす。
 二次的著作物である翻訳物が、第28条の規定により第22条から第24条までに規定する権利と同一の権利を有する者若しくはその許諾を得た者によつて上演、演奏、上映、公衆送信若しくは口述の方法で公衆に提示され、又は第28条の規定により第23条第1項に規定する権利と同一の権利を有する者若しくはその許諾を得た者によつて送信可能化された場合には、その原著作物は、公表されたものとみなす。
 美術の著作物又は写真の著作物は、第45条第1項に規定する者によつて同項の展示が行われた場合には、公表されたものとみなす。
 著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば第1項、第2項から第3項までの権利を有すべき者又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ第1項から第3項までの権利を有する者又はその許諾を得た者とみなして、これらの規定を適用する。

第4条の2(レコードの発行)
  レコードは、その性質に応じ公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が、第96条に規定する権利を有する者又はその許諾(第103条において準用する第63条第1項の規定による利用の許諾をいう。第4章第2節及び第3節において同じ。)を得た者によつて作成され、頒布された場合(第97条の2第1項又は第97条の3第1項に規定する権利を有する者の権利を害しない場合に限る。)において、発行されたものとする。

第5条(条約の効力)
  著作者の権利及びこれに隣接する権利に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。


第2節  適用範囲

第6条(保護を受ける著作物)
  著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
(1) 日本国民(我が国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
(2) 最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から30日以内に国内において発行されたものを含む。)
(3) 前2号に掲げるもののほか、条約により我が国が保護の義務を負う著作物

第7条(保護を受ける実演)
  実演は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
(1) 国内において行われる実演
(2) 次条第(1)号又は第(2)号に掲げるレコードに固定された実演
(3) 第9条第(1)号又は第(2)号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
(4) 第9条の2各号に掲げる有線放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
(5) 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
 実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(以下「実演家等保護条約」という。)の締約国において行われる実演
 次条第(3)号に掲げるレコードに固定された実演
 第9条第(3)号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
(6) 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(以下「実演・レコード条約」という。)の締約国において行われる実演
 次条第(4)号に掲げるレコードに固定された実演
(7) 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
 世界貿易機関の加盟国において行われる実演
 次条第(5)号に掲げるレコードに固定された実演
 第9条第(4)号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)

第8条(保護を受けるレコード)
  レコードは、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
(1) 日本国民をレコード製作者とするレコード
(2) レコードでこれに固定されている音が最初に国内において固定されたもの
(3) 前2号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
 実演家等保護条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に実演家等保護条約の締約国において固定されたもの
(4) 前3号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
 実演・レコード条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に実演・レコード条約の締約国において固定されたもの
(5) 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
 世界貿易機関の加盟国の国民(当該加盟国の法令に基づいて設立された法人及び当該加盟国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に世界貿易機関の加盟国において固定されたもの
(6) 前各号に掲げるもののほか、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約(第121条の2第(2)号において「レコード保護条約」という。)により我が国が保護の義務を負うレコード

第9条(保護を受ける放送)
  放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
(1) 日本国民である放送事業者の放送
(2) 国内にある放送設備から行われる放送
(3) 前2号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる放送
 実演家等保護条約の締約国の国民である放送事業者の放送
 実演家等保護条約の締約国にある放送設備から行われる放送
(4) 前3号に掲げるもののほか、次にいずれかに掲げる放送
 世界貿易機関の加盟国の国民である放送事業者の放送
 世界貿易機関の加盟国にある放送設備から行われる放送

第9条の2(保護を受ける有線放送)
  有線放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
(1) 日本国民である有線放送事業者の有線放送(放送を受信して行うものを除く。次号において同じ。)
(2) 国内にある有線放送設備から行われる有線放送


第2章   著作者の権利

第1節  著作物

第10条(著作物の例示)
  この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
(1) 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
(2) 音楽の著作物
(3) 舞踊又は無言劇の著作物
(4) 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
(5) 建築の著作物
(6) 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
(7) 映画の著作物
(8) 写真の著作物
(9) プログラムの著作物
 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第(1)号に掲げる著作物に該当しない。
 第1項第(9)号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
(1) プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
(2) 規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
(3) 解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組み合わせの方法をいう。

第11条(二次的著作物)
  二次的著作物に対するこの法律による保護は、その原著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

第12条(編集著作物)
  編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
 前項の規定は、同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

第12条の2(データベースの著作物)
  データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
 前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

第13条(権利の目的とならない著作物)
  次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
(1) 憲法その他の法令
(2) 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
(3) 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続きにより行われるもの
(4) 前3号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの


第2節  著作者

第14条(著作者の推定)
  著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に、その氏名若しくは名称(以下「実名」)という。)又はその雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定する。

第15条(職務上作成する著作物の著作者)
  法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

第16条(映画の著作物の著作者)
  映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複 製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。


第3節  権利の内容

第1款  総則

第17条(著作者の権利)
  著作者は、次条第1項、第19条第1項及び第20条第1項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第21条から第28条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。
 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。


第2款  著作者人格権

第18条(公表権)
  著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。
 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものと推定する。
(1) その著作物でまだ公表されていないものの著作権を譲渡した場合
   当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。
(2) その美術の著作物又は写真の著作物でまだ公表されていないものの原作品を譲渡した場合
   これらの著作物をその原作品による展示の方法で公衆に展示すること。
(3) 第29条の規定によりその映画の著作物の著作権が映画製作者に帰属した場合
   当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。
 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。
(1) その著作物でまだ公表されてしないものを行政機関(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「行政機関情報公開法」という。)第2条第1項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)に提供した場合(行政機関情報公開法第9条第1項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。)行政機関情報公開法の規定により行政機関の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。
(2) その著作物でまだ公表されていないものを独立行政法人等(独立行政法人の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)に提供した場合(独立行政法人等情報公開法第9条第1項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。)独立行政法人等情報公開法の規定により当該独立行政法人等が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。
(3) その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。)情報公開条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。
 第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
(1) 行政機関情報公開法第5条の規定により行政機関の長が同条第(1)号ロ若しくはハ若しくは同条第(2)号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は行政機関情報公開法第7条の規定により行政機関の長が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。
(2) 独立行政法人等情報公開法第5条の規定により独立行政法人等が同条第(1)号ロ若しくはハ若しくは同条第(2)号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は独立行政法人等情報公開法第7条の規定により独立行政法人等が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。
(3) 情報公開条例(行政機関情報公開法第13条第2項及び第3項に相当する規定を設けているものに限る。第(5)号において同じ。)の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第(1)号ロ又は同条第(2)号ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、若しくは提示するとき。
(4) 情報公開条例の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第(1)号ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、若しくは提示するとき。
(5) 情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第7条の規定に相当するものにより地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。

第19条(氏名表示権)
  著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
 著作物を利用する者は、その著作物の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。
 著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。
 第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
(1) 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。
(2) 行政機関情報公開法第6条第2項の規定、独立行政法人等情報公開法第6条第2項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第6条第2項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物の著作者名の表示を省略することとなるとき。

第20条(同一性保持権)
  著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
(1) 第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項又は第34条第1項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの
(2) 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
(3) 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
(4) 前3号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変


第3款  著作権に含まれる権利の種類

第21条(複製権)
  著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

第22条(上演権及び演奏権)
  著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

第22条の2(上映権)
  著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。

第23条(公衆送信権等)
  著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
 著作者は、放送され、又は公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。

第24条(口述権)
  著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。

第25条(展示権)
  著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。

第26条(頒布権)
  著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。

第26条の2(譲渡権)
  著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
(1) 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
(2) 第67条第1項若しくは第69条の規定による裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和31年法律第86号)第5条第1項の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
(3) 第67条の2第1項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
(4) 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物
(5) 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物
第26条の3(貸与権)
  著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

第27条(翻訳権、翻案権等)
  著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

第28条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
  二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。


第4款  映画の著作物の著作権の帰属

第29条
  映画の著作物(第15条第1項、次項又は第3項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。
 専ら放送事業者が放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第15条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する。
(1) その著作物を放送する権利及び放送されるその著作物について、有線放送し、自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、又は受信装置を用いて公に伝達する権利
(2) その著作物を複製し、又はその複製物により放送事業者に頒布する権利
 専ら有線放送事業者が有線放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第15条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する。
(1) その著作物を有線放送する権利及び有線放送されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利
(2) その著作物を複製し、又はその複製物により有線放送事業者に頒布する権利


第5款  著作権の制限

第30条(私的使用のための複製)
  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
(1) 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
(2) 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じさせないようにすることをいう。第120条の2第(1)号及び第(2)号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
(3) 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に付属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

第31条(図書館等における複製)
  国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下このにおいて「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
(1) 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあつては、その全部)の複製物を1人につき1部提供する場合
(2) 図書館資料の保存のため必要がある場合
(3) 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合
 前項各号に掲げる場合のほか、国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷又は汚損を避けるため、当該原本に代えて公衆の利用に供するための電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第33条の2第4項に同じ。)を作成する場合には、必要と認められる限度において、当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる。

第32条(引用)
  公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。
 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

第33条(教科用図書等への掲載)
  公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書(小学校、中学校又は高等学校その他これらに準ずる学校における教育の用に供される児童用又 は生徒用の図書であつて、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するものをいう。以下同じ。)に掲載することができる。
 前項の規定により著作物を教科用図書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、同項の規定の趣旨、著作物の種類及び用途、通常の使用料の額その他の事情を考慮して文化庁長官が毎年定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
 文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
 前三項の規定は、高等学校の通信教育用学習図書及び第1項の教科用図書に係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る。)への著作物の掲載について準用する。

第33条の2(教科用拡大図書等の作成のための複製等)
  教科用図書に掲載された著作物は、弱視の児童又は生徒の学習の用に供するため、当該教科用図書に用いられている文字、図形等を拡大して複製することができる。
 前項の規定により文字、図形等を拡大して複製する教科用の図書(当該教科用図書に掲載された著作物の全部又は相当部分を複製するものに限る。以下この項において「教科用拡大図書という。)を作成しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当該教科用拡大図書を頒布するにあつては、前条第2項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官が毎年定める額の補償金を当該著作物の著作権者に支払わなければならない。
 文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律(平成20年法律第81号)第5条第1項又は第2項の規定により教科用図書に掲載された著作物に係る電磁的記録の提供を行う者は、その提供のために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。

第34条(学校教育番組の放送等)
  公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送し、若しくは有線放送し、又は当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域(放送法(昭和25年法律第132号)第2条の2第2項第2号に規定する放送対象地域をいい、これが定められていない放送にあつては、電波法(昭和25年法律第131号)第14条第3項第3号に規定する放送区域をいう。以下同じ。)において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、及び当該放送番組用又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。
 前項の規定により著作物を利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作 権者に支払わなければならない。

第35条(学校その他の教育機関における複製等)
  学校その他の教育機関(営利を目的として設置されている ものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第38条第1項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化権を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りではない。

第36条(試験問題としての複製等)
  公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りではない。
 営利を目的として前項の複製又は公衆送信を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

第37条(視覚障害者等のための複製等)
  公表された著作物は、点字により複製することができる。
 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
 視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第102条第4項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第4項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りではない。

第37条の2(聴覚障害者等のための複製等
  聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第5項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りではない。
 

(1) 当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
(2) 専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)
第38条(営利を目的としない上演等)
  公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。(以下この 条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りではない。
 放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
 放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。
 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。
 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるもの及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で前条の政令で定めるもの(同条第(2)号に係るものに限り、営利を目的として当該事業を行うものを除く。)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている 著作物につき第26条に規定する権利を有する者(第28条の規定により第26条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。

第39条(時事問題に関する論説の転載等)
  新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される論説は、受信装置を用いて公に伝達することができる。

第40条(政治上の演説等の利用)
  公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続きを含む。第42条第1項において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。

第41条(時事の事件の報道のための利用)
  写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。

第42条(裁判手続等における複製)
  著作物は、裁判手続の為に必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 次に掲げる手続きのために必要と認められる場合についても、前項と同様とする。
(1) 行政庁の行う特許、意匠若しくは商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価又は国際出願(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和53年法律第30号)第2条に規定する国際出願をいう。)に関する国際調査若しくは国際予備審査に関する手続
(2) 行政庁若しくは独立行政法人の行う薬事(医療機器(薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第4項に規定する医療機器をいう。)に関する事項を含む。以下この号において同じ。)に関する審査若しくは調査又は行政庁若しくは独立行政法人に対する薬事に関する報告に関する手続
第42条の2(行政機関情報公開法等による開示のための利用)
  行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人は、行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法、独立行政法人等情報公開法第15条第1項に規定する方法(同項の規定に基づき当該独立行政法人等が定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項の規定に基づく政令で定める方法以外の者を除く。)を含む。)又は情報公開条例で定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規程を含む。)に規定する方法以外のものを除く。)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。

第43条(翻訳、翻案等による利用)
  次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該各号に掲げる方法により、当該著作物を当該各号に掲げる規定に従つて利用することができる。
(1) 第30条第1項、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第34条第1項又は第35条  翻訳、編曲、変形又は翻案
(2) 第31条第1項第(1)号、第32条第36条第37条第1項若しくは第2項第39条第1項、第40条第2項、第41条又は第42条  翻訳
(3) 第33条の2第1項  変形又は翻案
(4) 第37条第3項  翻訳、変形又は翻案
(5) 第37条の2  翻訳又は翻案
第44条(放送事業者等による一時的固定)
  放送事業者は、第23条第1項に規定する権利を害することなく放送することができる著作物を、自己の放送のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる
 有線放送事業者は、第23条第1項に規定する権利を害することなく有線放送することができる著作物を、自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
 前二項の規定により作成された録音物又は録画物は、録音又は録画の後6月(その期間内に当該録音物又は録画物を用いてする放送又は有線放送があつたときは、その放送又は有線放送の後6月)を越えて保存することができない。ただし、政令で定めるところにより公的な記録保存所において保存する場合は、この限りでない。

第45条(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)
  美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又その同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。
 前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない。

第46条(公開の美術の著作物等の利用)
  美術の著作物でその原作品が前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
(1) 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
(2) 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
(3) 前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
(4) 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合
第47条(美術の著作物等の展示に伴う複製)
  美術の著作物又は写真の著作物の原作品により、第25条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者は、観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの著作物を掲載することができる。

第47条の2(美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等)
  美術の著作物又は写真の著作物の原作品又は複製物の所有者その他のこれらの譲渡又は貸与の権原を有する者が、第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利を害することなく、その原作品又は複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、当該権原を有する者又はその委託を受けた者は、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)(当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑制するための措置その他の著作権者の利益を不当に害さないための措置として政令で定める措置を講じて行うものに限る。)を行うことができる。

第47条の3(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
  プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(これにより創作した二次的著作物の複製を含む。)をすることができる。ただし、当該利用に係る複製物の使用につき、第113条第2項の規定が適用される場合は、この限りでない。
 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて減失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。

第47条の4(保守、修理等のための一時的複製)
  記録媒体内臓複製機器(複製の機能を有する機器であつて、その複製を機器に内臓する記録媒体(以下この条において「内臓記録媒体」という。)に記録して行うものをいう。次項において同じ。)の保守又は修理を行う場合には、その内臓記録媒体に記録されている著作物は、必要と認められる限度において、当該内臓記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守又は修理の後に、当該内臓記録媒体に記録することができる。
 記録媒体内臓複製機器に製造上の欠陥又は販売に至るまでの過程において生じた故障があるためこれを同種の機器と交換する場合には、その内臓記録媒体に記録されている著作物は、必要と認められる限度において、当該内臓記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同種の機器の内臓記録媒体に記録することができる。
 前二項の規定により内臓記録媒体以外の記録媒体に著作物を記録した者は、これらの規定による保守若しくは修理又は交換の後には、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物を保存してはならない。

第47条の5(送信の障害の防止等のための複製)
  自動公衆送信装置等(自動公衆送信装置及び特定送信装置(電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち特定送信(自動公衆送信以外の無線通信又は有線電気通信の送信で政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)の用に供する部分(第(1)号において「特定送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報の特定送信をする機能を有する装置をいう。)をいう。以下この条において同じ。)を他人の自動公衆送信等(自動公衆送信及び特定送信をいう。以下この条において同じ。)の用に供することを業として行う者は、次の各号に掲げる目的上必要と認められる限度において、当該自動公衆送信装置等により送信可能化等(送信可能化及び特定送信をし得るようにするための行為で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)がされた著作物を、当該各号に定める記録媒体に記録することができる。
 


(1) 自動公衆送信等の求めが当該自動公衆送信装置等に集中することによる送信の遅滞又は当該自動公衆送信装置等の故障による送信の障害を防止すること  当該送信可能化等に係る公衆送信用記録媒体等(公衆送信用記録媒体及び特定送信用記録媒体をいう。次号において同じ。)以外の記録媒体であつて、当該送信可能化等に係る自動公衆送信等の用に供するためのもの
(2) 当該送信可能化等に係る公衆送信用記録媒体等に記録された当該著作物の複製物が滅失し、又は毀損した場合の復旧の用に供すること  当該公衆送信用記録媒体等以外の記録媒体(公衆送信用記録媒体等であるものを除く。)
 自動公衆送信装置等を他人の自動公衆送信装置等の用に供することを業として行う者は、送信可能化等がされた著作物(当該自動公衆送信装置等により送信可能化等がされたものを除く。)の自動公衆送信装置等を中継するための送信を行う場合には、当該送信後に行われる当該著作物の自動公衆送信等を中継するための送信を効率的に行うために必要と認められる限度において、当該著作物を当該自動公衆送信装置等の記録媒体のうち当該送信の用に供する部分に記録することができる。
 次の各号に掲げる者は、当該各号に定めるときは、その後は、当該各号に規定する規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を保存してはならない。
 


(1) 第1項(第(1)号に係る部分に限る。)又は前項の規定により著作物を記録媒体に記録した者  これらの規定に定める目的のため当該複製物を保存する必要がなくなつたと認められるとき、又は当該著作物に係る送信可能化等が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化等にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたとき。
(2) 第1項(第(2)号に係る部分に限る。)の規定により著作物を記録媒体に記録した者  同号に掲げる目的のため当該複製物を保存する必要がなくなつたと認められるとき。
第47条の6(送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等)
  公衆からの求めに応じ、送信可能化された情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。以下この条において同じ。)を検索し、及びその結果を提供することを業として行う者(当該事業の一部を行う者を含み、送信可能化された情報の収集、整理及び提供を政令で定める基準に従つて行う者に限る。)は、当該検索及びその結果の提供を行うために必要と認められる限度において、送信可能化された著作物(当該著作物に係る自動公衆送信について受信者を識別するための情報の入力を求めることその他の受信を制限するための手段が講じられている場合にあつては、当該自動公衆送信の受信について当該手段を講じた者の承諾を得たものに限る。)について、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行い、及び公衆からの求めに応じ、当該求めに関する送信可能化された情報に係る送信元識別符号の提供と併せて、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物(当該著作物に係る当該二次的著作物の複製物を含む。以下この条において「検索結果提供用記録」という。)のうち当該送信元識別符号に係るものを用いて自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該検索結果提供用記録に係る著作物に係る送信可能化が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたときは、その後は、当該検索結果提供用記録を用いた自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つてはならない。

第47条の7(情報解析のための複製等)
  著作物は、電子計算機による情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の統計的な解析を行うことをいう。以下この条において同じ。)を行うことを目的とする場合には、必要と認められる限度において、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行うことができる。ただし、情報解析を行う者の用に供するために作成されたデータベースの著作物については、この限りでない。

第47条の8(電子計算機における著作物の利用に伴う複製)
  電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合(これらの利用又は当該複製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。)には、当該著作物は、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で、当該電子計算機の記録媒体に記録することができる。

第47条の9(複製権の制限により作成された複製物の譲渡)
  第31条第1項(第(1)号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)第32条第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項若しくは第4項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第1項、第37条第37条の2(第(2)号を除く。以下この条において同じ。)第39条第1項、第40条第1項若しくは第2項、 第41条から第42条の2まで、又は第46条から第47条の2までの 規定による複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第31条第1項第35条第1項、第36条第1項又は第42条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。 ただし、第31条第1項、第33条の2第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2第41条から第42条の2まで又は第47条の2の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第31条第1項第35条第1項又は第42条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物を除く。)を、第31条第1項第33条の2第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2第41条から第42条の2まで又は第47条の2に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りではない。

第48条(出所の明示)
  次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
(1) 第32条第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第37条第1項、第42条又は第47条の規定により著作物を複製する場合
(2) 第34条第1項、第37条第3項、第37条の2第39条第1項 第40条第1項若しくは第2項又は第47条の2の規定により著作物を利用する場合
(3) 第32条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第35条第36条第1項、第38条第1項、第41条若しくは第46条の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。
 前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。
 第43条の規定により著作物を翻訳し、編曲し、変形し、又は翻案して利用する場合には、前2項の規定の例により、その著作物の出所を明示しなければならない。

第49条(複製物の目的外使用等)
  次に掲げる者は、第21条の複製を行つたものとみなす。
(1) 第30条第1項、第31条第1項第(1)号第33条の2第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2本文(同条第(2)号に係る場合にあつては、同号。次項第(1)号において同じ。)第41条から第42条の2まで第44条第1項若しくは第2項、第47条の2又は第47条の6 に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第(4)号の複製物に該当するものを除く。)を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物を公衆に提示した者
(2) 第44条第3項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者又は有線放送事業者
(3) 第47条の3第1項の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第(2)号の複製物に該当するものを除く。)若しくは第47条の4第1項若しくは第2項の規定の適用を受けて同条第1項若しくは第2項に規定する内臓記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録された著作物の副生物を頒布し、又はこれらの複製物によつてこれらの著作物を公衆に提示した者
(4) 第47条の3第2項、第47条の4第3項又は第47条の5第3項の規定に違反してこれらの規定の複製物(次項第(2)号の複製物に該当するものを除く。)を保存した者
(5) 第47条の5第1項若しくは第2項又は第47条の7に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第(6)号の複製物に該当するものを除く。)を用いて当該著作物を利用した者
(6) 第47条の6ただし書きの規定に違反して、同条本文の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第(5)号の複製物に該当するものを除く。)を用いて当該著作物の自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つた者
(7) 第47条の8の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を、当該著作物の同条に規定する複製物の使用に代えて使用し、又は当該著作物に係る同条に規定する送信の受信(当該送信が受信者からの求めに応じ自動的に行われるものである場合にあつては、当該送信の受信又はこれに準ずるものとして政令で定める行為)をしないで使用して、当該著作物を利用した場合
 次に掲げる者は、当該二次的著作物の原著作物につき第27条の翻訳、編曲、変形、又は翻案を行つたものとみなす。
(1) 第30条第1項、第31条第1項第(1)号、第33条の2第1項、 第35条第1項第37条第3項、 第37条の2本文、第41条又は第42条に定める目的以外の目的のために、第43条の規定の適用を受けて同条各号に掲げるこれらの規定に従い作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者
(2) 第47条の3第1項の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者
(3) 第47条の3第2項の規定に違反して前号の複製物を保存した者
(4) 第47条の6に定める目的以外の目的のために、同条の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者
(5) 第47条の6ただし書きの規定に違反して、同条本文の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を用いて当該二次的著作物の自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つた者
(6) 第47条の7に定める目的以外の目的のために、同条の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を用いて当該二次的著作物を利用した者
第50条(著作者人格権との関係)
  この款の規定は、著作者人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。


第4節  保護期間

第51条(保護期間の原則)
  著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。
 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第1項において同じ。)50年を経過するまでの間、存続する。

第52条(無名又は変名の著作物の保護期間)
  無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後50年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後50年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後50年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。
 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
(1) 変名の著作物における著作者の変名がその者のものとして周知のものであるとき。
(2) 前項の期間内に第75条第1項の実名の登録があつたとき。
(3) 著作者が前項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したとき。
第53条(団体名義の著作物の保護期間)
  法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、その著作物の公表後50年(その著作物がその創作後50年以内に公表されなかつたときは、その創作後50年)を経過するまでの間、存続する。
 前項の規定は、法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作者である個人が同項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したときは、適用しない。
 第15条第2項の規定により法人その他の団体が著作者である著作物の著作権の存続期間に関しては、第1項の著作物に該当する著作物以外の著作物についても、当該団体が著作の名義を有するものとみなして同項の規定を適用する。

第54条(映画の著作物の保護期間)
  映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後70年(その著作物がその創作後70年以内に公表されなかつたときは、その創作後70年)を経過するまでの間、存続する。
 映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは、当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は、当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。
 前2条の規定は、映画の著作物の著作権については、適用しない。

第55条 (削除)

第56条(継続的刊行物等の公表の時)
  第52条第1項、第53条第1項、及び第54条第1項の公表の時は、冊、号又は回を追つて公表する著作物については、毎冊、毎号又は毎回の公表の時によるものとし、1部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、最終部分の公表の時によるものとする。
 一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、継続すべき部分が直近の公表の時から3年を経過しても公表されないときは、すでに公表されたもののうちの最終の部分をもつて前項の最終部分とみなす。

第57条(保護期間の計算方法)
  第51条第2項、第52条第1項、第53条第1項、又は第54条第1項の場合において、著作者の死後50年、著作物の公表後50年若しくは創作後50年又は著作物の公表後70年若しくは創作後70年の期間の終期を計算するときは、著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。

第58条(保護期間の特例)
  文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約により創設された国際同盟の加盟国、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締結国又は世界貿易機関の加盟国である外国をそれぞれ文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約、著作権に関する世界知的所有権機関条約又は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の規定に基づいて本国とする著作物(第6条第(1)号に該当するものを除く。)で、その本国において定められる著作権の存続期間が第51条から第54条までに定める著作権の存続期間より短いものについては、その本国において定められる著作権の存続期間による。


第5節  著作者人格権の一身専属性等

第59条(著作者人格権の一身専属性)
  著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。

第60条(著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護)
  著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りではない。


第6節  著作権の譲渡及び消滅

第61条(著作権の譲渡)
  著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。
 著作権を譲渡する契約において、第27条又は第28条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。

第62条(相続人の不存在の場合等における著作権の消滅)
  著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。
(1) 著作権者が死亡した場合において、その著作権が民法(明治29年法律第89号)第959条(相続財産の国庫帰属)の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
(2) 著作権者である法人が解散した場合において、その著作権が民法第72条第3項(残余財産の国庫帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
 第54条第2項の規定は、映画の著作物の著作権が前項の規定により消滅した場合について準用する。


第7節  権利の行使

第63条(著作物の利用の許諾)
  著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。
 前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。
 第1項の許諾に係る著作物を利用する権利は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。
 著作物の放送又は有線放送についての第1項の許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音又は録画の許諾を含まないものとする。
 著作物の送信可能化について第1項の許諾を得た者が、その許諾に係わる利用方法及び条件(送信可能化の回数又は送信可能化に用いる自動公衆送信装置に係わるものを除く。)の範囲内において反復して又は他の自動公衆送信装置を用いて行う当該著作物の送信可能化については、第23条第1項の規定は、適用しない。

第64条(共同著作物の著作者人格権の行使)
  共同著作物の著作者人格権は、著作者全員の合意によらなければ、行使することができない。
 共同著作物の各著作者は、信義に反して前項の合意の成立を妨げることができない。
 共同著作物の著作者は、そのうちからその著作者人格権を代表して行使する者を定めることができる。
 前項の権利を代表して行使する者の代表権に加えられた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第65条(共有著作権の行使)
  共同著作物の著作権その他共有に係る著作権(以下この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。
 共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。
 前2項の場合において、各共有者は、正当な理由がない限り、第1項の同意を拒み、又は前項の合意の成立を妨げることができない。
 前条第3項及び第4項の規定は、共有著作権の行使について準用する。

第66条(質権の目的となつた著作権)
  著作権は、これを目的として質権を設定した場合においても、設定行為に別段の定めがない限り、著作権者が行使するものとする。
 著作権を目的とする質権は、当該著作権の譲渡又は当該著作権に係る著作物の利用につき著作権者が受けるべき金銭その他の物(出版権の設定の対価を含む。)に対しても、行うことができる。ただし、これらの支払又は引渡し前に、これらを受ける権利を差押えることを必要とする。


第8節  裁定による著作物の利用

第67条(著作権者不明等の場合における著作物の利用)
  公表された著作物又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合は、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。
 前項の裁定を受けようとする者は、著作物の利用方法その他政令で定める事項を記載した申請書に、著作権者と連絡することができないことを疎明する資料その他政令で定める資料を添えて、これを文化庁長官に提出しなければならない。
 第1項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の裁定に係る複製物である旨及びその裁定のあつた年月日を表示しなければならない。

第67条の2(裁定申請中の著作物の利用)
  前条第1項の裁定(以下この条において単に「裁定」という。)の申請をした者は、当該申請に係る著作物の利用方法を勘案して文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間(裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間)、当該申請に係る利用方法と同一の方法により、当該申請に係る著作物を利用することができる。ただし、当該著作物の著作者が当該著作物の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるときは、この限りではない。
 前項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の規定の適用を受けて作成された複製物である旨及び裁定の申請をした年月日を表示しなければならない。
 第1項の規定により著作物を利用する者(以下「申請中利用者」という。)が裁定を受けたときは、前条第1項の規定にかかわらず、同項の補償金のうち第1項の規定により供託された担保金の額に相当する額(当該担保金の額が当該補償金の額を超えるときは、当該額)については、同条第1項の規定による供託を要しない。
 申請中利用者は、裁定をしない処分を受けたとき(当該処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つた場合を除く。)は、当該処分を受けた時までの間における第1項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託しなければならない。この場合において、同項の規定により供託された担保金の額のうち当該補償金の額に相当する額(当該補償金の額が当該担保金の額を超えるときは、当該額)については、当該補償金を供託したものとみなす。
 申請中利用者は、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間における第1項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
 前三項の場合において、著作権者は、前条第1項又は前ニ項の補償金を受ける権利に関し、第1項の規定により供託された担保金から弁済を受けることができる。
 第1項の規定により担保金を供託した者は、当該担保金の額が前項の規定により著作権者が弁済を受けることができる額を超えることとなつたときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。

第68条(著作物の放送)
  公表された著作物を放送しようとする放送事業者は、その著作権者に対し放送の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、その著作物を放送することができる。
 前項の規定により放送される著作物は、有線放送し、専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続してる自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。この場合において、当該有線放送、自動公衆送信又は伝達を行う者は、第38条第2項及び第3項の規定の適用がある場合を除き、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

第69条(商業用レコードへの録音等)
  商業用レコードが最初に国内において販売され、かつ、その最初の販売の日から3年を経過した場合において、当該商業用レコードに著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物を録音して他の商業用レコードを製作しようとする者は、その著作権者に対し録音又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、当該録音又は譲渡による公衆への提供をすることができる。

第70条(裁定に関する手続及び基準)
  第67条第1項、第68条第1項又は前条の裁定の申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国又は独立行政法人のうち業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるもの(第78条第6項及び第107条第2項において「国等」という。)であるときは、適用しない。
 文化庁長官は、第68条第1項又は前条の裁定の申請があつたときは、その旨を当該申請に係る著作権者に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。
 文化庁長官は、第67条第1項、第68条第1項又は前条の裁定の申請があつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、これらの裁定をしてはならない。
(1) 著作者がその著作物の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるとき。
(2) 第68条第1項の裁定の申請に係る著作権者がその著作物の放送の許諾を与えないことについてやむを得ない事情があるとき。
 文化庁長官は、前項の裁定をしない処分をしようとするとき(第7項の規定により裁定をしない処分をする場合を除く。)は、あらかじめ申請者にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならないものとし、当該裁定をしない処分をしたときは、理由を付した書面をもつて申請者にその旨を通知しなければならない。
 文化庁長官は、第67条第1項の裁定をしたときは、その旨を官報で告示するとともに申請者に通知し、第68条第1項又は前条の裁定をしたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
 文化庁長官は、申請中利用者から第67条第1項の裁定の申請を取り下げる旨の申出があつたときは、当該裁定をしない処分をするものとする。
 前各項に規定するもののほか、この節に定める裁定に関し必要な事項は、政令で定める。


第9節  補償金

第71条(文化審議会への諮問)
  文化庁長官は、第33条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第2項、第67条第1項、 第67条の2第4項、 第68条第1項又は第69条の補償金の額を定める場合には、文化審議会に諮問しなければならない。

第72条(補償金の額についての訴え)
  第67条第1項、第67条の2第4項、 第68条第1項又は第69条の規定に基づき定められた補償金の額について不服がある当事者は、これらの規定による裁定(第67条の2第4項に係る場合にあつては、第67条第1項の裁定をしない処分)があつたことを知つた日から六月以内に、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
 前項の訴えにおいては、訴えを提起する者が著作物を利用する者であるときは著作権者を、著作権者であるときは著作物を利用する者を、それぞれ被告としなければならない。

第73条(補償金の額についての意義申立ての制限)
  第67条第1項、第68条第1項又は第69条裁定又は裁定をしない処分 についての行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による意義申立てにおいては、その裁定又は裁定をしない処分に係る補償金の額についての不服をその裁定又は裁定をしない処分に ついての不服の理由とすることができない。ただし、第67条第1項の裁定又は裁定をしない処分を受けた者が著作権者の不明その他これに準ずる理由により前条第1項の訴えを提起することができない場合は、この限りでない。

第74条(補償金の供託)
  第33条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第2項、第68条第1項又は第69条の補償金を支払うべき者は、次に掲げる場合には、その補償金の支払に代えてその補償金を供託しなければならない。
(1) 著作権者が補償金の受領を拒み、又は補償金を受領することができない場合
(2) その者が過失がなくて著作権者を確知することができない場合
(3) その者が補償金の額について第72条第1項の訴えを提起した場合
(4) 当該著作権を目的とする質権が設定されている場合(当該質権を有する者の承諾を得た場合を除く。)
 前項第(3)号の場合において、著作権者の請求があるときは、当該補償金を支払うべき者は、自己の見積金額を支払い、裁定に係る補償金の額との差額を供託しなければならない。
 第67条第1項、第67条の2第4項若しくは前二項の規定による補償金の供託又は同条第1項の規定による担保金の供託は、 著作権者が国内に住所又は居所で知れているものを有する場合にあつては当該住所又は居所の最寄りの供託所に、その他の場合にあつては供託をする者の住所又は居所の最寄りの供託所に、それぞれするものとする。
 前項の供託をした者は、すみやかにその旨を著作権者に通知しなければならない。ただし、著作権者の不明その他の理由により著作権者に通知することができない場合は、この限りでない。


第10節  登録

第75条(実名の登録)
  無名又は変名で公表された著作物の著作者は、現にその著作権を有するかどうかに係らず、その著作物についてその実名の登録を受けることができる。
 著作者は、その遺言で指定する者により、死後において前項の登録を受けることができる。
 実名の登録がされている者は、当該登録に係る著作物の著作者と推定する。

第76条(第一発行年月日等の登録)
  著作権者又は無名若しくは変名の著作物の発行者は、その著作物について第一発行年月日の登録又は第一公表年月日の登録を受けることができる。
 第一発行年月日の登録又は第一公表年月日の登録がされている著作物については、これらの登録に係る年月日において最初の発行又は最初の公表があつたものと推定する。

第76条の2(創作年月日の登録)
  プログラムの著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。ただし、その著作物の創作後6月を経過した場合は、この限りでない。
 前項の登録がされている著作物については、その登録に係る年月日において創作があつたものと推定する。

第77条(著作権の登録)
  次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
(1) 著作権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。次号において同じ。)若しくは信託による変更又は処分の制限
(2) 著作権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は著作権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
第78条(登録手続等)
  第75条第1項、第76条第1項、第76条の2第1項又は前条の登録は、文化庁長官が著作権登録原簿に記載し、又は記録してて行う。
 著作権登録原簿は、政令で定めるところにより、その全部又は一部を磁気デイスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。第4項において同じ。)をもつて調製することができる。
 文化庁長官は、第75条第1項の登録を行つたときは、その旨を官報で告示する。
 何人も、文化庁長官に対し、著作権登録原簿の謄本若しくは抄本若しくはその附属書類の写しの交付、 著作権登録原簿若しくはその附属書類の閲覧又は著作権登録原簿のうち磁気デイスクをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付 を請求することができる。
 前項の請求をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国等であるときは、適用しない。
 第1項に規定する登録に関する処分については、行政手続法(平成5年法律第88号)第2章及び第3章の規定は、適用しない。
 著作権登録原簿及びその附属書類については、行政機関情報公開法の規定は、適用しない。
 著作権登録原簿及びその附属書類に記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)第2条第3項に規定する保有個人情報という。)については、同法第4章の規定は、適用しない。
10 この節に規定するもののほか、第一項に規定する登録に関し必要な事項は、政令で定める。

第78条の2(プログラムの著作物の登録に関する特例)
  プログラムの著作物に係る登録については、この節の規定によるほか、別に法律で定めるところによる。


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